むし歯・歯周病は、
進行度や痛みによって段階があり、それぞれ治療法が異なります。
歯科医師の診断のもと、適切な治療・処置を行います。
むし歯治療
むし歯になる原因とは
口腔ケアを怠ると、歯にプラークと呼ばれる細菌の集まりが蓄積しやすくなります。このプラークに含まれるミュータンス菌が産生する酸が、歯のエナメル質を侵食し、むし歯の原因となります。
むし歯のリスクは個人差があります。糖分の摂取頻度、唾液の分泌量、歯の耐性などの要因に影響されます。
自己管理を徹底していてもむし歯になることがあります。そのため、患者様それぞれに適した予防を再検討する必要があります。
その際は、歯科医師や歯科衛生士から専門的なアドバイスを受けることが大切です。
むし歯の進行と治療
むし歯の進行度合いによって、治療方法は異なります。
進行状況は、経過観察が必要なCO(シーオー)から、C1~C4までの5段階で評価されます。
むし歯が重症化すると、神経の除去などより複雑な処置が求められる場合があります。このため、むし歯の早期治療が非常に重要です。初期段階での対応により、自然な歯を保存できる可能性が高まります。
すみのえグリーン歯科 ロピア北加賀屋院では、むし歯の早期発見を目的とした定期検診をオススメしており、むし歯を早い段階で見つけ出し、最適な治療を提供することが可能となります。
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CO:むし歯になりかけの歯
COとは、「Observation(観察)」の頭文字を取った略語で、経過観察が必要な状態を指します。
これは、むし歯の前兆が疑われる歯の状態を表しており、適切な対応をしないとむし歯に進行する可能性があります。
この段階では、例えば、適切なブラッシング、フッ素塗布、シーラントなどの措置や対策を行うことで、むし歯の発症を防ぐことができます。
むし歯の発症を未然に防ぐためには、歯科医院での定期的な検診が大切です。 -
C1:歯の表面のむし歯
C1は、むし歯の初期段階を示しており、歯の一番外側にある「エナメル質」がむし歯になっている状態です。
むし歯になっている部分を最小限に除去し、歯科用の白いプラスチックなどで詰めて治療します。
この段階のむし歯は通常痛みを伴わないため、自覚症状が少ないことがほとんどです。
こちらも定期的な検診などで早期発見・早期治療を行うことで、歯の健康を維持することができます。 -
C2:神経に近いむし歯
むし歯がさらに進行し、歯の一番外側のエナメル質を超えて、その下の象牙質まで進行している状態を指します。この段階での治療方法は、むし歯の範囲によって異なります。
小さなむし歯の場合は、損傷部分を丁寧に取り除き、歯科用の白いプラスチックなどで詰めて治療します。
一方、大きなむし歯の場合、より頑丈な修復が必要となります。金属やセラミックなどの耐久性の高い材料で作られたインレーを使用します。 -
C3:神経まで達したむし歯
むし歯が深刻化して神経に到達した段階です。
この状態になると感染した神経を除去する必要があり、根管(歯の根の中の細い管)を特殊な材料で充填する治療(根管治療)を行い、大きな詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を装着して治療します。 -
C4:末期のむし歯
歯の根を残して、歯冠部がほとんど失われている状態です。ここまで進行していると、歯髄(神経)が壊死しているため、ほぼ痛みを感じません。
しかし、放置すると歯根部に感染が広がってしまい、膿が溜まる可能性がありま。これにより、激しい痛みが生じることがあります。
この段階になってしまうと歯を残すことが非常に難しく、残念ながら抜歯をする治療が多くなります。
歯周病治療
歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯を支える周りの組織に起こる病気で、歯茎とその下にある骨が徐々に傷んでいく状態のことです。
最初は歯茎が赤く腫れたり、歯を磨くときに出血したりします。これが進むと、歯と歯ぐきの間に隙間ができて、そこに食べ物のかすや細菌が溜まります。さらに悪化すると、歯を支える骨が溶けていき、最終的には歯がぐらぐらして抜けてしまうこともあります。
歯周病の主な原因は、歯の表面に付着する細菌の塊(歯垢やプラーク)です。これをきちんと取り除かないでいると、歯ぐきに炎症が起こり、徐々に深刻化していきます。
予防するには、毎日の丁寧な歯磨きと歯間清掃が大切です。また、定期的に歯医者さんで検診を受けることで、早い段階で問題を見つけて対処できます。
歯周病は気づきにくい病気ですが、早めに対処すれば治療できます。歯ぐきの様子がおかしいと感じたら、歯医者さんに相談するのがいいでしょう。
放置するとかなり危険!
歯周病は非常に深刻なお口の病気で、治療を怠ると歯を失う可能性があります。実際、歯を失う主要因として歯周病が最も多いとされています。
この病気の厄介な特徴は、その進行が静かで気づきにくいことです。そのため、「サイレント・ディシーズ」という別名で呼ばれることもあります。初期段階では明確な症状がほとんど現れないため、多くの人が病気の進行に気づかないまま時間が経過してしまいます。
自覚症状が出て初めて気づく頃には、すでに病気が相当進行していることが少なくありません。この段階に至ると、治療が複雑化し、元の健康な状態に戻すのが困難になることがあります。
そのため、定期的な歯科検診を受け、早期発見・早期治療を心がけることが非常に重要です。
些細な変化でも気になる点があれば、速やかに歯科医師に相談することをおすすめします。
歯周病菌と全身は
つながっている!
歯周病は、全身の健康に影響を及ぼす可能性がある深刻な疾患です。
歯周病菌が血流に乗って体中を巡ると、様々な健康問題を引き起こしたり、既存の病気を悪化させたりすることがあります。
例えば、糖尿病の制御を難しくしたり、心臓病のリスクを高めたり、メタボリックシンドロームの症状を悪化させたりする可能性があります。
つまり、歯の健康を維持することは、様々な疾患の予防にもつながるのです。
しかし、歯周病は初期段階では痛みを伴わないことが多いため、治療を先延ばしにしがちです。「まだ大丈夫」と後回しにすると、結果的に深刻な健康問題につながる可能性があるのです。
歯周病の症状
歯周病の進行度と
治療方法
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歯肉炎
歯周病の初期段階では、歯と歯ぐきの間に歯垢が溜まり、歯ぐきが赤く腫れます。
痛みはあまりありませんが、歯磨き時に出血することがあります。
この段階では、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)と毎日の丁寧な歯磨きで、歯周病の進行を防ぐことができます。
早めに気づいて対処すれば、健康な歯ぐきを保つことができます。 -
軽度歯周炎
歯周病が進むと、歯ぐきの炎症が悪化し、歯と歯ぐきの間に隙間(歯周ポケット)ができることがあります。
歯磨き時の出血は増えますが、まだ痛みは少ないです。
この段階でも、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)と毎日の丁寧な歯磨きで改善できます。 -
中度歯周炎
歯ぐきと歯の間の隙間が深くなり、歯を支える骨が減少します。
歯ぐきが下がり、歯が長く見えることもあります。
この段階では、歯ぐきの出血だけでなく、歯のぐらつきや痛み、違和感など、様々な症状が現れます。
治療には通常のスケーリングに加え、歯ぐきの奥の歯石を除去するルートプレーニングが行われることがあります。 -
重度歯周炎
歯周病が最終段階に達すると、歯を支える骨の半分以上が失われ、歯が大きくぐらつきます。
この段階では治療が難しく、歯を抜かざるを得ないこともあります。
失われた骨は基本的に元に戻りません。このような症状が出たら、すぐに歯科医院で適切な治療を受けることが重要です。早めの対応が歯を守る最後のチャンスとなります。