歯科医療のグローバル事情:むし歯になりにくい国、なりやすい国
世界には、日本とは異なる歯科医療の仕組みや、むし歯予防に対する考え方を持つ国がたくさんあります。
今回は、そのなかでも特に注目したい国の例を取り上げ、日本の現状と照らし合わせながら、海外の歯科事情について見ていきましょう。
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むし歯予防の先進国、スウェーデン
世界で最もむし歯や歯周病が少ない国として知られているのが、北欧のスウェーデンです。
日本の高齢者が残っている歯(親知らずを除く)の平均が約15本なのに対し、スウェーデンでは約22本と、その差は歴然としています。
この背景には、1970年代に大学で行われた研究が大きく影響しています。
日々の歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングの両方を実践することで、むし歯や歯周病が効果的に予防できることが明らかになりました。
この結果を受けて、スウェーデン政府は未成年者の歯科検診を無料化。
子どもの頃から予防歯科を習慣づけることで、大人になってからも定期的な歯科検診を受けることが「当たり前」になったのです。
国によって異なる歯科医療制度
スウェーデンと同様に、フィンランドでも子どもの歯科治療は無料です。
キシリトールガムを噛む習慣を教えるなど、予防に力を入れています。
しかし、最近は食生活の変化や歯磨きの習慣が疎かになることで、むし歯の子どもが増えているという現状もあるようです。
一方、ドイツでは歯科治療は高価で複雑な制度ですが、大人も子どもも年2回の定期検診が無料という特徴があります。
イギリスでは公的な医療機関と私的な医療機関に分かれており、公的な機関では治療費が安価な代わりに、待ち時間が長かったり、治療の質が十分でなかったりする場合もあります。
日本の予防歯科は「発展途上」
では、日本はどうでしょうか。
日本の「国民皆保険」制度は、歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたりした時に、全国どこでも均一の費用で治療を受けられる素晴らしいシステムです。
しかし、この制度は病気が発生した時に使う「疾病保険」としての側面が強く、予防医療にはあまり重点が置かれていません。
たとえば、定期的な歯石除去は保険診療でも受けられますが、費用や使える材料・時間に制限があります。
その結果、十分に時間をかけて質の高い予防ケアを受けるには、自費診療を選ぶ必要が出てきます。
しかし、予防歯科への意識は少しずつ高まっています。
高額な治療費や通院の手間を考えると、定期的なメンテナンスを自費で受けることが、長期的に見て安く済むという費用対効果に気づき始めている人が増えているのです。
子どもの歯並びも予防の時代へ
最近では、むし歯予防の一環として、子どもの頃から歯列矯正を始める家庭も増えてきました。
歯磨きがしやすいきれいな歯並びにすることで、将来のむし歯リスクを減らすことができます。
子どもの成長に合わせて矯正治療を行うことは、お子さんの一生に関わる重要な投資です。
適切な時期に適切な歯科医療を受けることは、プライスレスな贈り物と言えるでしょう。
まとめ
海外の歯科事情を見てみると、予防に重点を置いている国では、国民の口腔内の健康状態が日本よりも良い傾向にあります。
日本の国民皆保険制度は素晴らしいものですが、予防歯科の概念がさらに浸透していくことで、一人ひとりの健康維持につながり、ひいては日本の医療費削減にも貢献することが期待できます。
予防歯科を受けたい方は是非当院へお越しください。